フィッシャーマンのためのフィッシングカフェ


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カズさんからの手紙 35

カズさんからの手紙 35
(この物語はフィクションです。)

3つの質問

 僕はカズさんに3つの質問をした。
① フライフィッシングのテクニックもほとんどないし、自然に対する様々な知識もない自分に果たして出来るのか。
② 26日間のいわゆる義務日数以外に、楽しみとして来てもいいのか。
③ 自分以外に何名くらいのボランティアスタッフがいるのか。
 答えは簡単だった。レインジャーは釣りに関してはあくまでもポイントと鱒の扱い方、フライの選択くらいにしか口は出さない。
何よりも大切なことは、釣り人から黒駒湖の動植物を守ることであり、それが主目的である。
いかにローインパクトに自然の中で遊ぶか、を教えるのだという。
それらのことは2年後の正式な解禁までにしっかりと覚えてもらう、とのこと。
 そしてもちろん、いつでも黒駒湖には来てもらって結構、ただし食事は自分で用意し、準備すること。
 ボランティアスタッフは現在、古葉さんとカズさんを除く10名。
その中には僕の友人の佐藤さんも入っている。
 僕はすぐにぜひやらせて下さい、と返事をしたことは言うまでもない。

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by kftkubo | 2013-07-24 18:30 | カズさんからの手紙 | Comments(0)

カズさんからの手紙 34

カズさんからの手紙 34
(この物語はフィクションです。)

去年の9月

 去年の9月、あの夢のような2日間。
あの二日間が僕の人生を変えた、と言ったら大げさだろうか。
すべてはあのカズさんからの不思議な一通の手紙から始まった。
手紙を読んだだけで僕はすっかり黒駒湖のとりこになってしまい、実際に魅力的なネイティブの鱒や、カズさんや古葉さんと出会って、何が何でも倶楽部に入れてもらおうと思っていたところが、こうして新しい目的を目指す仲間たちの一員となっている。
「あなたの1年の休日のうち、26日間を黒駒湖アングリング倶楽部にください。」
古葉さんの太い声が今も僕の耳に起る。
4月2日から11月22日までのシーズンの間の26日間を釣り客のガイドを兼ねたボランティアのレインジャーになって欲しいと言うのだった。
当初それに対する報酬はないけれど商売として利益を生みだすことになれば、すべてこの黒駒湖周辺の自然を手に入れるための資金としたいということなのである。
つまり黒駒湖アングリング倶楽部は、手つかずの自然を自分たちの手で確保していき、それに賛同してくれるナチュラリストを増やしていく倶楽部なのだと。

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by kftkubo | 2013-07-11 22:21 | カズさんからの手紙 | Comments(0)

カズさんからの手紙 33

カズさんからの手紙 33
(この物語はフィクションです。)

大前川の流れ込み

 そうだ、初めてこの湖で釣りをしたのもこのポイントだったっけ。
大前川の流れ込み。
あの時もカズさんがすぐに40cmオーバーのブラウンを釣って、その後すぐに僕にきたのだ。だから今日もカズさんは僕をこのポイントに誘ったのかな。
あの後いろんなポイントで、あの時よりも大きなサイズも何本か上げたけど、やっぱりここは僕にとって特別なポイントだ。
 初めて訪れた去年の秋のことを思い出しながらリトリーブする僕の手に軽くコツンとアタリがあった。
そしてすぐにググーンと体ごと湖に引っ張られるような強い手応えが。
「や、やったあー」
毎度の情けない僕の雄叫びに、さっきのブラウンをリリースしていたカズさんが
「でかいですよ。」
と真顔で言ってくれた。
 確かにそいつは大きかった。
65cmのブラウントラウト。
僕の七番ロッドを限界近くまでしならせたソイツは、またしても僕にとっての新記録であった。
「窪田さん、上達しましたね。
キャスティングはもちろん、リトリーブもよくなっている。
そして何よりも大物の扱いは格段の進歩ですよ。」
カズさんのうれしい言葉に照れながらそっと鱒をリリースした。
「こんな落ち着いた気分で、こんなに大きな鱒をリリースできるなんて去年までは思いもよらなかったです。」

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by kftkubo | 2013-07-04 06:47 | カズさんからの手紙 | Comments(0)